フリーランスからオフィスワーカーに逆戻りして、よかったなと思えることのひとつが、金曜日の宵口に日々の仕事からの開放感やら週末を迎える高揚感が湧き上がってくること。以前、神保町の小さな出版社に席があったときは、週末も祝祭日も関係なく働いていたので、この気分は自分には、とても新鮮なものです。しかも仕事場が生まれ育ったホームグラウンドの築地に立地しているから、帰り道の夜景もまた懐かしく、心なごませてくれます。
帰り途中、逗子駅近くの「OKストア」に寄り、たくさんの食材やお酒などを買うことになって、ふとこのストアは買物袋持参が基本ルールであることを思い出しました。仕事場には小さなショルダーバッグしか携えていないので、急遽、東急プラザに入るL.L.BEANセレクトストアを目指すことに。つい先日、若い女性がL.L.BEANのトートバッグにしては軽快な印象の大きなバッグを肩から下げているのを街で見かけていいなぁと思っていました。その軽やかで容量たっぷりな「グローサリー・トート」を買っていこうと思いついたのです。武骨なまでに頑丈な帆布素材で知られる同社のトートですが、このベトナム製バッグは薄い帆布を用いて、縫合パターンもシンプルなためか、そこそこマチがありながら小さく畳むことができる点に惹かれました。
ぼくの小さなショルダーバッグにもなんなく収まるコンパクトさ。広げると大容量。製品名も、OKストアでの買い物気分にぴったり。あまりに求めていたかたちと機能そのものだったので嬉しくなりました。しかも、ストアの店員さんいわく「がんがん洗えます」。気軽に使いこんでいけるのもいい。OKストアでは店舗備え付けのカゴいっぱいに食材を買い、かなりの重量とボリュームの荷物になったのですが、このトートは持ち手の長さが絶妙でした。短めなのがポイントで、肩にかけると重くなったトートをバランスよく、ぼくの感覚では快適に運搬できるよう感じます。小物入れのポケットなど付かない簡素なつくりですが、このトートは食材だけをラフに放りこむのが気分。アメリカンなデイリーユースな、ラフな雰囲気も楽しく味わえると思います。久しぶりに満足のいくバッグと出合えました。
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4