2016年9月9日金曜日

築地のピッツア



外食続きの昼。自然と足が向くのは自分が生まれた聖路加病院やその隣にカトリック教会の幼稚園があった明石町方面。住所は築地でも、市場あたりの喧噪とはうらはらの静かな一帯。かつて外国人や大名・政府要人の屋敷があった界隈を歩きながら、つかのまの心の平穏を取り戻します。池波正太郎さんは「浅野内匠頭の屋敷があったあかつき公園のあたりから、聖路加病院の周辺をぶらぶら歩いていると、まるでフランスの町にでもいるようなおもいがする」と『銀座日記』に著述。異国の情感すら感じられるハイカラな「あたり」をぼくもぶらぶらしていると、1年ほど前に開店していたという小粋な佇まいのピッツェリアが目に留まりました。




ナポリスタイルのピッツアを薪窯で焼いて供する「築地トゥットベーネ!」。昼休みはとても混みあう築地場外の南イタリアレストラン「パラディーゾ」の2号店なのだそうです。観光客の多い場外とちがって、近辺で働く人が行き交う通りに立地しているためか、存在を知るのは、ローカルの口コミ情報によるところが多いかもしれません。それでもカウンター席はオフィスレディと思われる女性でほぼ埋まっていて、地域で愛される一軒であるとうかがわせます。




日替わりピッツアのランチメニューを頼むと、ボリュームたっぷりのサラダに続いて、とても大きな一枚が運ばれてきて「瞠目」。スタッフの方いわく、そのビッグサイズが店の特徴なのだそうです。男性でも小食の人はたいらげられないかもしれません。もちろん、ぼくはぺろりと完食。食欲が深くみたされ、満腹になっても、午後3時過ぎには小腹がすいてきました。自分の判断基準では、そう体が反応する食べものは、よい材料を使い、きちんとつくっている証左。また、食べに行きたいし、夜も訪ねたい。こちらは友だちと数種のピッツアをシェアすると、をより満喫できるかもしれません。

LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4