2016年12月14日水曜日

田越川のあたり


鎌倉・大町から歩いて逗子・久木へ移動。途中、夕食用に邦栄堂製麺所にて生中華麺を求め、車の通行が少ない路地に入る。震災の津波が寄せるまでは、黒松並木だったという通り。往時の情趣は過去のものになっても、海辺ののどかな時間が、あたりに流れているのがいい。


ヨット、ウインドサーフィン。昔風にいえば会員制「マリンクラブ」の佇まいが点在する界隈。30数年前、目にした風景は時を止めたようにとどまっている。郷愁に浸り、じっと見つめてしまう。


学生時代、ほんの短期間、体育会系ヨット部に属し、逗子駅から葉山森戸海岸まで、海岸まわりのバスでアクセスしていた。車窓から見える田越川に満ちる光と、穏やかな水の流れに、ときめいたのを覚えています。護岸工事が一部行われたものの、水と光から受ける心象風景は変わらない。



民家のそば、山と町、海をつなげる川。久しぶりに、ぼんやり眺めていたら、視界を横切る人が。



水面をすいすい。いいなぁ。満潮時なら、軒先にはしごをかければ、ボード抱えて水に入ることができそう。そんな快楽的な水辺ライフを夢みていて、いつかは実現したいと羨望。


川辺のオーガニックカフェ&食材店「ビーチマフィン」では画家&イラストレーター&ミュージシャン、出口雄大さんの個展を開催中。絵画を主にした作品を観て、家に帰る。ゆっくり話したかったけれど、この日は光の差しているうちに、葉山での用事があって、店内におられた本人には挨拶だけ。ごめんなさい、出口さん。また、お会いしましょう。


田越川の暖かな光と、民家の縁側に置かれたレモンイエローのイームズチェア。そんなビジュアルが1990年代の雑誌「brutus」湘南プロヴァンス特集にたしか載っていて、ぼくは猛烈に惹かれた。編集者・永井宏さんが誌面で魅力的に伝えたライフスタイルに、少しは近づけただろうか。湘南の水辺に暮らし、イームズチェアを取り入れる。その両方を具現化できた現在を写しとりました。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4