2016年12月21日水曜日

冬の朝


平日も週末も朝起きる時間は変わらない、変えない。イチローじゃないけれど、ずっと同じペースを保った方が、心と身体が自分には楽に思えるから。それでも土曜・日曜は日の出直後の流れがふだんよりゆったりしている。まずは犬と近所のこみち、ビーチを歩いてから、朝食を食べる。


犬の歩速で30分ほど。冬山用の過剰性能なジャケットを羽織っているから、温暖な海辺では十分すぎるほど暖かい。露出している顔に触れる冷気がきりりとしていて、かえって心地よく感じる。


数少ない観光名所のひとつも、早朝の周辺はビジターはおろか、地域住民の姿もほぼ見かけない。静かな時間がゆったりと流れ、その穏やかな空気を胸いっぱいに吸い、リラックス。


鎌倉・材木座で生まれ育ち、今は葉山・堀内に暮らす画家・出口さんと先日会い、地域性に話が及んだことを思い起こします。葉山町内でも、一色界隈の保養地めいた閑静ぶりは格別。



そのスノッブなムードは昭和初期、別邸・別荘建築のブーム時期に形成されたもの。



週替わりで様相が変わる、道端の草花を愛で、裏山でさえずる小鳥の声になごむ。単なる田舎町ではない、スペシャルな情趣。かつての文化人や政治家、要人がこの地域の気候風土と光、緑に心やすめたように、感情がひたすら鎮まっていく朝の散歩のひとときがたまらなく愛おしい。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4