2016年12月28日水曜日

貝の化石


ビーチコーミングとは、波や潮汐、海流の作用で海から打ち上がるものを拾い集める遊び。葉山一色海岸にはときどき、お宝級のものが打ち上がり、歓喜させられます。お宝とは1,600万年前の二枚貝の化石。海岸近くの海底にひそむ地層から洗いだされ、太古の貝とは思えぬほど状態が佳い。波で摩耗した殻の風合いも情趣を感じられます。しおさい博物館の前館長・池田 等さんに、貝の化石が打ち上がることを教わり、それから夢中で波打ち際に目を凝らし続けたけれど、まったく見つからない。しかし、1年間ほぼ毎朝欠かさずパトロールしていたら、ある瞬間に目が化石を認識。それからは、おもしろいように拾えるようになるから人の視覚とは不思議です。一色海岸で化石に出合うにはポイントがあります。化石の大きさ、厚さ、色などの佇まいをまずイメージすることが大切。また、ビーチをくまなく歩かない。ここぞという場所を見極め、意識を集中して探すこと。波は似たかたちと重さのものを集めて海岸に運ぶ性質があり、まれに丸く中粒の黒い石が一ヵ所に打ち上がることがあります。化石はその石にまぎれていることが多いのです。このビーチでの、そのピンポイントスポットは、美術館の前、どんどん川という小川が海に流れこむあたりから、しおさい公園の前にかけて。ここ以外には化石は打ち上がりません。石がまとまって打ち上がるときに、小川中心に目を凝らせば、いつかは化石に出合えます。

HASSELBLAD500C/M , ZEISS PLANAR C 80mm f2.8
KODAK PORTRA400