2017年1月31日火曜日

「よみがえる大坊珈琲店」 写真展


いろいろな偶然が重なり、出会うべくひとに導かれる。そんな幸運にまた恵まれました。北鎌倉在住の写真家、関戸 勇さん。大坊珈琲店をみたす空気と光、店主・大坊勝次さんのエスプリを見事にとらえた写真を2月11日まで、築地「ふげん社」にて展示されています。たまたま在廊していた関戸さんと言葉を交わして、その鋭敏な感覚と飾らない言葉に、一瞬にして魅了されました。空間、人、仕事、物。大坊さんでないと淹れることができない、至高の一杯をめぐる撮影テーマ。それぞれのビジュアルが綿密につながる。まるで上質な映画を鑑賞しているかのような至福感。ぼくは関戸さんのスティル作品ぜんたいから、「動き」を感じます。この人と一緒に仕事をしたい。そう熱望する写真家に、久しぶりに縁ができた気がして、会期中、関戸さんが会場に立つ日は何度でも足を運び話したい。美意識の根源に触れたい。


ふげん社は写真のギャラリーを運営するかたわら、美しい造本のアート本を集め、販売もおこなう。それらの本はブック・カフェで眺めることも可能。北欧ものなど、好きな磁器カップを選べて、お菓子が付いて、カップ2杯強のコーヒーを500円で飲める。崇敬する編集者が「ここは打ち合わせに使える!」と歓喜していたけれど、その興奮がよくわかる、本好き、コーヒー好きにはたまらない空間。仕事場から歩いてすぐの場所にあってよかった。これから頻繁に利用させてもらおう。会場では関戸さんが撮影し、「さる山」の猿山 修さんが装幀した『大坊珈琲店』(大坊勝次・著、誠文堂新光社)も販売している。こんどの金曜昼過ぎ、関戸さんがまた来られるので、購入して万年筆でサインしてもらおう。余白に美と豊かな文化が宿る、瀟洒な一冊です。

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