2017年2月6日月曜日

カーゴ・カゴ


秋田・角館の佐藤定雄さんと智香さんが沢グルミの樹皮で制作したカゴの風情に日々、力をもらっています。飛行機や船に載せ、重い貨物を運搬するカーゴcargoの収納箱コンテナcontainerを想起させる頑強なカゴ。樹皮のワイルドな素材感が独特の力強さをみなぎらせています。


この雰囲気を日々持ち歩けるカゴに転化できないか。そう考えて、もやい工藝店主、久野民樹さんに相談して特注制作してもらうことにしました。
ウイークデイの毎日、葉山と築地の仕事場を往き来するときに運搬するインドの弁当箱、ライカやハッセルブラッドのカメラ、本や小物がほどよく収まるサイズを調べて注文。民樹さんが佐藤夫妻と打ち合わせして、特別に木型を起こし手がけてもらえることになりました。素材は定雄さんが野に分け入り集め、智香さんが編み、定雄さんが仕上げをおこなう。樹皮の特性から、とても力を要する仕事なのだそうです。作業工程は『民藝の教科書④ かごとざる』(グラフィック社)p45〜「角館の樹皮細工」に詳しく紹介されています。


発注して4ヶ月後に受け取ったカゴ。まさにイメージ通りの出来上がりで感激! 荒々しく頑強。冬は乗馬用ツイードジャケットを羽織り、レッドウイングのワーキングブーツを履いて通勤する、野趣おじさんのぼくが持っても違和感ないのでは。「カーゴ・カゴ」と名付けました。


使いこむと、手の脂などが馴染んで佳い色合いに育っていくでしょう。カゴ男子となって、このカゴを日用品として愛用していきます。長く使うほど愛着が増す手仕事良品の好例。育ち具合については改めて報告します。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4