2017年2月2日木曜日

ソニービルの小さな書店にて



ビル解体まで2カ月をきったソニービル。イベントや特別な空間でフィナーレまでを壮大にしめくくる。グッドデザインな過去・現在の製品がオンパレードのソニー「It's a Sony展」も素晴らしかったけれど、限定オープンのブックストア「EDIT TOKYO」の選書も秀逸。東京にまつわる本をセレクトの主題に掲げながら、多岐にわたるジャンルから思わず手に取りたくなる良書を選び集めている。毎晩のように催される本をつくる人たちのトークイベントも興味深い。今月中に一度は参加したい。


ソニー製品の展示と、ゆるやかにつながるストア入口。ソニー側の展示をひととおり観ると、自然とEDIT TOKYOのなかに入っていけるレイアウトがいい。入口の棚には恩師の顔とあの本が! 「民藝の教科書」そして「日本の手仕事をつなぐ旅」(いずれもグラフィック社)。後者は尽きない好奇と探究心、民俗学的アプローチな奥地に分け入る旅の興奮、大陸から日本にもたらされた文化と人の史実への推察、豊かで多様な地方の風土、地域の文化と自然、民藝の美、佳い仕事ができる工人の人柄と技術、生活の実際などなど、恩師の深遠な言葉を、編集者・笠井さんが最善のかたちにしてくれた。10年以上、恩師と向き合った濃密な時間がぎっしり詰まっている、想い入れの強い本。本当に美しいものはなにか、日本でなぜ美しいものが生まれたのか。半世紀近く、民藝美を全身全霊で求めた人物のライフワークを書物に表すことができた。そんな恩師の本が銀座の思い出深い場所に置かれて感激。涙が出そうになりました。3月には最終巻となる4巻目が発売される。ソニービルという銀座の歴史がまたひとつ幕を閉じる月に。不思議な縁を感じます。

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LEICA M-E , SUPER WIDE-HELIAR15mm 2nd GEMERATION   f4.5