2017年4月28日金曜日

新富・湊町の民家


仕事場近くの中央区新富町や湊町あたりには商業ビルもひしめいているけれど、その谷間には昭和初期の民家が残存。



石づくりの看板建築や瓦屋根の商家など、米国の非営利団体「ワールド・モニュメント財団」(WMF)により危機遺産に選ばれた築地六丁目の民家群と同じく、戦時の空襲や近年の開発から逃れてきた貴重な建物が点在しています。


何気ない町家風の一軒も、引き戸や門灯の造形にグッとくるものがあります。子どものころは、好きじゃなかったトタンによる外壁カヴァーも、大人の今は味わいとポジティブに受け止められます。


雨風が染みこんで、艶を帯びた木造民家から、オレンジの灯りが漏れている情景を目にすると、心からホッとしちゃう。とはいえ、こうした文化遺産と景色も、徐々に消えていくのは必至で、3年後にむけて、さらにそのスピードは速まっていくのかもしれない。こうした江戸の稀少な光景に立ち合うたびに、美しい街並みが、当たり前のように存続している、我が家周辺の葉山一色界隈の住環境、住人の美意識を愛おしく思います。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4