2017年5月10日水曜日

それでもライカ


前日、最新iPhoneのカメラを称賛したけれど、あくまでぼくのメインカメラはデジタル・ライカM-Eであり、最上の標準レンズであるズミルックス50mmが基本。



光の乏しい状況で、このレンズの絞り開放(f1.4)でとらえる世界は詩的な美しさに満ちている。その場でカメラの液晶画面でプレビューする、小さな写真ですら魅了される。


叙情的な描写、陰影の繊細なトーン。コントラストの高いモダンレンズにも、穏やかな余地を存分に残す技術者の洗練と美意識。こんな表現はライカレンズの独壇場と信じている。景観やアート。美が身近な日常に身を置いていないと、こんなレンズは創造できない



どうしてもライカを携えることができない、ごく限られたときはiPhoneに頼る。それは致しかたない「記録」であり、「撮影」ではない。


日没後の居間。勝手な苛立ちから、帰路を急いだぼくの心情をおそるおそる伺う、うちの犬。光の質、色に加えて空気や気持ちも写る。写真はライカじゃなくちゃ駄目なんだ。ライカを使えなくなったとき、それはぼくが写真を辞めるときです。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4