「わんこパン」でなごみ、窓の外に広がる浦賀港の海景を眺めていた妻。ふと対岸にある岬を指さし、「あそこに行ってみたい」とつぶやく。ずっと気になっていたと話す燈明崎という岬と周辺のビーチ。
妻の直観はいつも佳き出合いへと導いてくれる。車で10数分移動し、シークレット感プンプンな道幅狭いローカルロードを進むと、その最奥に秘境はひっそりたたずんでいました。東京湾の玄関口で、江戸時代の和式灯台があった場所。菜種油で満たした燈明皿に火を灯し、周辺を航行する舟のために光を投射していた。この灯台を復元した建物が立つ。
灯台のある岬から目に飛びこんできたのは、美しい海水と米軍基地関係者と思われる北米人の多さ。波打ち際に視界を狭めれば、まるで南国の海。エメラルドグリーンの水が寄せ、白人が海水浴を愉しんでいる。まわりの環境に目を転じれば、松をはじめ和の植生。ここはいったいどこ? 不思議なトリップ感に幻惑されます。
この水の透明感、太平洋のリゾートそのものじゃないですか? 近くの走水の海もこんな色合いでした。東京湾とは思えぬ、楽園です。
言葉を失いながら、ビーチの端まで探検。
少年刑務所のある、突き当りまで散歩。
こんな秘境がある浦賀。ますますファンになっちゃう。しかし、外国人はさすが佳いところを知っていますね。彼らの情報網に脱帽。
走水や観音崎もそうだけど、湾口の海流が速い海域からは、流木を主に魅力的なものが漂着する。流木のかたちの佳いものは、このあたりのビーチを探すといい。この日は塗装の剥げ落ちたこけしを発見。いったいどれだけの年月、海を漂っていたのだろう。
こんな角のとれた流木も! なかなかのレアもの。流木のオブジェ探しに今月、再訪しようかな。ビーチコーマーにとっては聖地ともいえそうな岬。地味な貝を嬉々として夢中に拾っている北米人を横目に、宝物をすくいあげちゃうよーん。
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm f/4
ELMARIT28mm 4TH EDITION f/2.8