2017年7月28日金曜日

葉山の花火


今夏も葉山の花火大会が無事開催。打ち上げ場所から離れた、近所のビーチにロッキングチェアを持ち出して鑑賞。正面に打ち上がり、見ごたえある隣の真名瀬の渚と違って一色海岸は場所取りは不要。開始近くに地域住民がばらばらとビーチに現れる。真名瀬まで歩いて15分ほどだけど、丘陵地の一色まで戻る坂道はキツイし、歩道のない夜の県道を歩くのはアブナイ。至近のビーチで充分。そう考える一色の住民はきっと少なくない。



海の家か、松林、あるいは波打ち際か、自分の好きなところに座り、空を見上げる。遠くから目指してくるような華やかさはない。一色海岸から観る地味な45分間のショーはワイキキ海岸で金曜の夜に催す、ささやかな花火イベントに通じる親しさがある。僕はそのムードに心地よく魅せられる。


中盤とフィナーレ近くには、目前の岩礁でも打ち上げがあり、歓声と拍手が湧き上がる。とはいえ、あくまで控えめな盛り上がりかたが好ましい。海面に映る色彩を見つめ、波音にまじる炸裂音を聴き、大門商店で買ったビールを呑み、体を揺らしながら酔いを深めていく。花火を介して一色界隈の静かで、品格ある地域性を確認しながら、この地に暮らす悦びを、夏のたびに想う。

LEICA M-E , ELMARIT28mm 4TH EDITION , f/2.8