2017年10月8日日曜日

キラー通りでアフガニスタンのガラスを買う


青山キラー通りの西洋民藝店「グランピエ」でイランの手吹きガラスを買った際、当然ながら店内を物色パトロール。で、ヤバイものがNOT FOR SALE棚で眼に入ってしまった。


人類原初のガラス製造法を今も守ると言われる、アフガニスタン北西部・ヘラートの手吹きガラスである。いつか手に入れたいと憧れていた物。


スタッフの方に根掘り葉掘り質問を浴びせ、プリミティブで素朴な器のディテイルをじっくり見せてもらう。グランピエのHPでは店の元責任者・石塚氏のコレクションを紹介している。YOUTUBEではヘラートガラスの製造風景の動画をアップロードしているという。


早速、チェックするとあった、あった! しかもこの驚きの映像、撮影監督は尊敬する写真家・エリオット・アーウィットさんではないか! ジャーナリスティックな写真家集団マグナムの仕事として取材したのだろうか? 素材の調達と製法から村やバザールの様子、使う風景などヘラートガラスの周辺も包括的な視点で見事に捉えている。永久保存版の貴重な映像だろう。


グランピエ訪問時、幸運なことに5年ぶりくらいにFOR SALEのヘラートガラスが入荷していた。作り手をようやく見つけ出したのだという。今もヘラートの町なかで作られてはいるのだが、工房のありかを突き止めるのに時間を要したそうだ。しかも、このガラスは繊細な造りで、現地からオガクズに包まれて送られてくるのだが、かなりの確率で割れてしまっているらしい。そんな希少なガラス製品なのに、値段はとても良心的である。この機会を逃してはと2ついただいた。気泡の多さ、歪みが味わいのあるおおらかな形がたまらなく魅力的である。これはイランの物と違って、実用品というより、観賞して愉しむつもり。あと数個ストックがあるので、欲しい人は店に急いだ方がよいかもしれない。

SIGMA DP3MERRILL 75mm f/2.8