2019年7月12日金曜日

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80~90年代初頭、モダンなプロダクト製品を探しに「銀座松屋」へよく足を運んだ。当時は洗練されたデザインに出合える、日本では稀少な空間だった。デンマークB&Oのオーディオ製品など、高値の華も多かったが、キッチン&ガーデンツールなど気軽な日用品も揃え、物をフラットに広く陳列する斬新な売場では眼が泳ぎまくり、夢中に買い物した。その銀座松屋に直結する銀座駅A12出口につながる通路の円柱や低い天井、ほの暗い照明が醸すムードにも強く惹かれた。銀座らしいハイカラな景色に思えた。



その地下通路がタイルの装いを新たにお披露目された。古代ローマのテルマエ・ロマエ(公衆浴場)を想起させるエクステリア。クラシックで優美。銀座の松屋らしい粋な設えにまた魅せられる。


タイル壁面の反対は大きなショーウィンドウ。初夏のディスプレイはバカラが主題。





イラストレーターWALNUTが手がけた、東京がテーマのタンブラーなどを展示している。



バカラのきらめきを眺めていたら、使いたくなり、鞄のなかのヴィンテージ・ショットグラスを近くの木挽町「盆源珈琲」に持ちこんで、エスプレッソダブルでひとやすみ。バカラを持ち歩く編集者。そんな酔狂な道楽者はほかにも居るかな(笑)。

SIGMA DP3 MERRILL75mm / f2.8