一日の大半を過ごす土間ダイニングから毎日眺めている黄斑月桃。互いに強靭な地下茎がつながり固まり、びっしりこんもりと密に根を下ろしている。玄関の目隠しになると同時にトロピカルな明るい風情で眼を楽しませてくれている。
町内の友人から欲しいと言われると、ショウガを頑強にしたような根の塊をスコップで削ぎ取り、株ごと持っていくようにしている。陽当たりと水はけが佳く、年間を通して温暖な場所に植えて根付けば、徐々に増えていき、梅雨時に勢いを増して群生していくだろう。鑑賞だけでなく、強い香りの葉はアロマオイルを抽出できたり、虫除けなど実用性もあるらしい。また、茎は草紐や和紙の素材になる。ノーマルな島月桃は葉を乾燥させて煮出せばお茶になるが、この黄斑月桃を試してみたが、香りがかなりきつく感じた。お茶も味わいたいので、陽当たりは劣る裏庭に沖縄産の島月桃を増やすよう試みている。
種の拡張が盛んな印象から、お裾分けした友人には植えたらたちまち増えていくような口ぶりでついつい話しまう。我が家の庭がたまたま適していたのかもしれないし、ここまで勢いづくまで数年かかってきた。大げさな口調は自分の短所で、恩師から「君は話しているうちに高揚してどんどん内容が誇張されていくね」と諭された。しかし、北米人っぽい熱量高めなこのキャラクターはこれからも変わらない気がする。ごめんなさい! ぼくの熱い語りは話し半分と捉え、あまり信用しないでください。
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4