10数年前、取材で訪れた名古屋で名物の餡トーストを口にして以来、人生二度めの喫茶モーニング体験。早朝の仕事後、クロスカブで半島を南下して三浦海岸駅前のコーヒーハウス「ぽえむ」でジャーマンコーヒーと『イギリスパンのトーストサンド』を味わった。友人の辻マスターは趣味嗜好が合う快楽追求者。コーヒーと同様、たっぷりの新鮮野菜とローストハムが挟まり、絶妙な塩梅で味つけされたサンドも感動の美味しさだった。
和みながらカウンター越しにお喋りし、窓辺の再生ガラスコレクションを眺めた。次に向かう古物商店ではアンバー色の再生ガラスを購入しようとしていたので、その色彩に眼がひかれる。写真も深く愛好するマスターと楽しく酒杯を重ねられる日常にまた戻れたらいいな。
開店までまだ時間があったので、古物商店そばの金田漁港で漁具を観に行く。このターコイズ色は海辺によくマッチする。そう心が感応するのは、かつて秋谷海岸で半年間ほど暮らした平屋がターコイズに外壁が塗られていたから。砂に埋もれるように立つ漁師小屋然とした家屋は潮風に洗われ室内に波音が反響する、海と一体化した住居。浮世離れしたあの美しい日々が忘れられない。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4
