先日、SHO FARMでの援農中にずっと気になっていたことを農園の仲野晶子さんに尋ねました。
三浦半島の大規模農園では畑に雑草がほぼ生えていないのが当たり前の風景なのに、SHO FARMの畑は作物によっては多様な雑草で地面が密に覆われています。自宅の庭に似た景色に心地よさ、親密さを感じてきたのですが、グランドカバーの理由、利点を知りたくなったのです。以下、大学で土壌学を学んできた晶子さんのコメント。
「土壌って構造なので、ただの均一な物質ではないんですね。そこに水があったり、空気があったり。そういった物理的な構造が非常に重要なんですけども、裸地になっていると日光、雨、風に晒されて構造が壊れてしまう。それは土にとって一番良くないんです。
土壌の生成ということを考えると、植物は土をつくっていく存在なので、雑草は作物の敵なだけじゃない。確かに光合成を阻害する状態だと作物にとって良くないので、風通しが悪くなったりとか日陰になるようだったら刈りますけれども。例えばニンジンはすごく雑草に弱いので特に生育初期は徹底的に雑草を刈ります。でもそのあとは雑草より野菜のほうが勝てる状態になったら放置。冬野菜は野菜の方が基本的に強いので放置。夏野菜だとガンガンきちゃうのでまめに草取りをしますけど、取ったとしても土に還すのが原則です。植物の根っこからも根酸(こんさん)とか酵素とかたくさんできてきて、野菜にとっては良いこと。だから、畑を草で覆うのは鉄則なんです」
土のなかでの植物の役割はまだまだ解明されていないとことわりながらも明確に答えてくれた晶子さん。植物が土をつくるって言う話しには興味津々。今は定期的な援農機会で健やかな土壌に触れられ、その土づくりにも関われ、植物を活かす農法を眼のあたりにできているから、土について深く識りたくなります。まずは庭のコンポスト「キエーロ」による生ゴミ→土づくりを日々継続しつつ、『spectator』最新号あたりから入り、土壌学を優しく伝える書籍を読んでいこうかな。
SIGMA DP3 MERRILL75mm /f2.8
LEICA M-E, MACRO ELMAR 90mm /f4