相模湾と富士山を見渡す高台の木造トラディショナル・フラットハウスで、おいしい燻製づくりをしている原さん。ぼくと同じく道具への愛着が強く、長年使いこんだ物のよさへの想いが熱い語り口に惹かれます。その口調がくどくなく、要点と真理をさらりと伝えてくるから、耳に心地いいのです。たとえば工房(香房)を暖めるストーブは、日本船燈のゴールドフレームを選択。真鍮素材のピカピカした金色が深いグレーに落ち着くほど多くの冬を越してきた。自宅ではアラジンのブルーフレームを40年使っているという原さん。タンク容量が同じなこと、ブルーフレームが毎年芯の交換が推奨されているのに対して、ゴールドフレームは10年ほど交換不要(あくまで個人の判断として)であるうえ、芯の交換もたやすいこと。赤い炎の色がよく、雰囲気のよい照明がわりにもなることなど、ブルーフレームに比較しながら物の美点を伝えてきます。その言葉ひとつひとつが長くひとつの物と付き合ってきたユーザーならではの説得力を帯びています。実際お客さんは10人以上、その推奨の言葉からゴールドフレームの購買にいたっているそうです。ぼくももちろん欲しくなりました!
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.