NYブルックリン在住の編集者・ライター、仁平綾さんの出版記念イヴェントで著書に掲載されたラッピングペーペーを購入。1949年に家族経営で創業したブルックリンのノートブランド「マイケル・ロジャー」の「Decomp Wrap Rolls」という現行製品。印刷のために複写された素材の実物が目前にあるという不思議。紙を触り、眺め、この本への想い入れも増していきます。
レトロなモチーフ、オレンジの色合いがいい。本に載る紙で、その本を包む。ブックカバーとして活用してみました。NYにおけるラッピング文化の奥行きの深さ、拡がりは、たとえば裏面の工夫からも想像できます。適当なサイズで、なおかつ紙を無駄なく正確に切り分けられるよう、白地の裏面には縦横にノートブックみたいな罫線が目安として引かれています。表側の文様に惑わされて、どこでどう切ったらいいのかわからない迷いをえいっと振り払い、大胆にハサミを入れられるのが、いかにも米国流合理主義。と思ったのですが、実は罫線も文様の一部で、それはノートブランドゆえの洒落心なのかもしれません。そんなさりげない洗練さ、ユーモアを嫉妬するように憧れます。
NYの紙もの図鑑をNYの紙でカバー。なかなかよい着想ではないかと自己満足。本のデザイナーや編集者のアイデアにじかに触れられるような展示が、いくつかの書店で最近催されていますが、本好きにはたまらない至福の機会ではないでしょうか。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.