2017年10月3日火曜日

窓からの眺め


葉山一色地区の自邸は温暖な南斜面に立つ。家裏の北側に山がそびえ、前に海が広がるという、風光明媚を絵に描いたような自然環境。さらには広大な敷地に豊かな緑を保つ名家が西側にあることと、東と西側の小さな庭に樹を植えたことで、隣家が迫る南側以外の方角すべての視界が常緑の緑で占められる。この窓から見える緑色と、木々が風に揺らぐ音、樹木のあいだから届くたくさんの鳥たちのさえずりに僕は心の安らぎという恩恵を日常的に享受している。もはや気分はNO GREEN , NO LIFEである。


ただし、海から差す斜光は強烈で、夕暮れどきに西側の窓には日よけは必須。本を日焼けさせるような強い光は遮りたいけれど、明るい光は感じていたいから、外側に葦簀を立て掛け、内側に李朝の古い布・ポシャギやスウェーデンの工房が手がけたヴェージュの薄いリネンを掛けて、やわらかく光を室内に採り入れている。


寝室はいちばんくつろぎたい空間だから、インドの布を画鋲で留めて、ほどほどに遮光する。逗子CHAHATでメートル単位で量り売りしているふんわりと軽やかな質感のコットンを季節ごとに替えている。乳白の白無地も佳いけれど、インドは暖色の布が好み。


惹かれる布の活用で、深い陰影を愉しむ寝室で手元をスポット的に照らすのは、イタリアを代表するデザイナー、建築家ミケーレ・デ・ルッキのテーブルライト『Tolomeo』。90年代から憧れの存在だったルッキが今日、青山スパイラルでの「窓学国際会議」に登壇する。窓の景色・光景についてどんな話をするのか楽しみで仕方がない。

SIGMA DP3 MERRILL , 75mm f/2.8