東銀座に限りなく近い築地一丁目で仕事場の経営者に昼を奢っていただいた。店を選んだのは経営者のひとりである女性。食べログでも、人の評判でもなく、自分の直観を頼りに入った店が案外、居心地良くおいしかったとのこと。他人の情報ばかりを基準にしている自分とはまるで違う鋭い嗅覚。はたしてその一軒「竹の庵」は、個室空間で玄米をはじめ体にやさしい食材と心こもった調理で美食を堪能できるノーマークの名店だった。
かつてそばに電通本社があったロケーション。店が入るビル周辺はめっきり人通りが少なくなってしまったけれど、地下のレストラン街は会社員たちで賑わっていた。その喧噪を意外に思いながら、お得感のあるランチ定食を味わい、女性の勘に舌を巻いた。同じフロアにある「インドカリーRASA 」は仕事場の総務の人が贔屓にする店だというし、目黒「とん㐂」の支店もずっと以前から出店しているという。築地はホームタウンだと思っていたし、今の仕事場に通い始めて5年近く経つのに、この地下街の存在をまったく知らなかった。自分の視野の狭さを思い知らされる昼となった。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4