2020年3月30日月曜日

三和土



葉山の森山神社土曜朝市で江戸時代の暮らしを実践する人がいる。町内会長であり、手漉き紙作家の春日泰宣さんだ。葉山の海水から塩を作り、醤油も味噌も自家製。横須賀市子安の里で栽培した無肥料無農薬の野菜や、庭の果樹に成る果実などを発酵食品の素材に使う。そんな春日家の日常食を披露、提供しているのだ。



春日さんが作るたくわんをたらふく食べたくて、月曜日に自宅の土間で行うはかり売り「三和土(たたき)」を訪ねた。山裾の陰影、佐島石の塀、常緑の庭が美しい、葉山一色界隈でも屈指の風情ある古家へ。



先客も近所の知人。会話に加わって、買い物前にのんびりとした時間を過ごす。



こういうおつきあいの情景、かつては実家の佃島でも当たり前のように見られたなぁと懐かしむ。互いにお裾分けするついでに日報を伝え合う。



毎年、1月中旬に庭で2〜3週間干す練馬大根や青首大根。この大根は横須賀市長沢のsho-farmが無農薬、市販品ではなく、自家配合の有機肥料(木材チップ80%、米糠・米・灰・三崎のマグロカス・海藻・自家鶏の糞を等分に混ぜたものを20%)で育てたそう。



春日家の糠(ぬか)床。無農薬天日干しの飯山米の糠に、高知黒潮の手もみ完全天日塩・自家製唐辛子・庭の柿の皮・日高昆布・なるべく無農薬のみかんの皮少々を和えて発酵。



干した大根はこの糠床に2ヶ月漬けてたくわんにしている。塩分が控えめだから、5月前までが食べごろだという。



市販品と比べてとても良心的な値段。2本まるごといただき、毎食の副菜に、酒の肴にしてポリポリ。おいしいなぁ。月曜、家に居られるときはまた買いに行こう。自家製醤油などいろいろ気になるし。春日さんによれば薄切りにすると、また意外な食感を楽しめるそうです。お勧めです!

「三和土」は不定休があるので、blogのカレンダーを要チェック。

LEICA M5 , SUMMILUX50mm ASPH. /f1.4 , KODAK PORTRA160NC